定期預金の預け先は、使う予定まで預けられる期間が決まっているなら、その期間に合う商品の金利と条件を並べると絞り込みやすくなります。一方、途中で使う可能性がある資金では、表示金利より先に解約の可否と利息の扱いを確認する必要があります。「定期預金はどこがいい」という問いは、預ける金額と使う時期を定めることで、比較できる形になります。

使う目的から満期までの期間を決める

定期預金は、あらかじめ預入期間を決めて資金を預ける商品です。比較の出発点は、銀行名を並べることよりも、資金をいつ使うかを書き出すことです。支払いの予定がある資金と、当面使う予定のない資金では、選べる満期も異なります。

使う予定に合わせて預ける資金を分けて考えるイメージ

まず、預けたい金額と使う予定時期を整理し、その時期までに満期が来る期間を候補にします。使う時期を決められない部分は分けて考えると、全額を一つの長い期間に合わせる必要がなくなります。ゆうちょ銀行の定期貯金では複数の期間を選べますが、期間の選択肢が多いことと、長い期間が目的に合うことは別の判断です。

金利は預入額・期間・税の条件をそろえる

金利を比べる際は、預入額、預入期間、預入日をそろえます。金融機関によって金額や期間などで適用金利が異なるため、別の条件の数字を並べても、自分が受け取る利息の比較にはつながりません。同じ条件でそろえると、比較対象は「銀行全体」から「その金額と期間で利用できる商品」に変わります。

税引前と税引後の区別も必要です。三井住友銀行の金利表や楽天銀行の商品説明では、利息に20.315%の税金がかかる旨が示されています。税引前の表示利率を、そのまま手取りの割合として扱わないことが比較の前提です。また、年利率は一年当たりの表示なので、異なる預入期間の受取利息を数字だけで比べないようにします。

長い期間ほど高い利率の商品もありますが、その差は満期まで預ける条件と組み合わせて評価します。予定より後に満期が来る商品を選ぶと、中途解約によって当初想定した利息を受け取れない場合があります。具体的な預け先を並べる段階では、定期預金の金利を期間・金額別に比較する方法も判断の手掛かりになります。

四つの比較軸と満期後の扱いを表にする

候補の商品ごとに、次の項目を一つずつ埋めます。金利の欄だけを先に評価せず、満期と解約条件まで書いてから比較すると、利息と資金の使いやすさを一緒に判断できます。

定期預金を選ぶ際の確認項目
比較軸 確認する内容 判断につなげる点
金利 預入額・期間・預入日に対応する利率、税引前か税引後か 自分に適用される条件で並べる
預入期間 選べる期間と満期日 資金を使う予定に間に合うか
中途解約 解約の可否、所定の中途解約利率 予定が変わった場合の制約を把握する
預金保険 同じ金融機関にある対象預金の合計額 元本1,000万円の保護範囲との関係を見る
満期後 自動継続の選択と継続時の適用金利 当初の条件が続くかを確認する

出典:ゆうちょ銀行「定期貯金」、三井住友銀行「円預金金利」、楽天銀行「定期預金 商品詳細説明書」、金融庁「預金保険制度」

中途解約と自動継続は別々に確認する

中途解約では、満期まで預けた場合の約定利率とは異なる、所定の利率が適用されることがあります。楽天銀行の通常定期預金も、中途解約時の利率を別に定めています。比較するときは、商品説明の金利欄に加えて、中途解約の欄を開き、予定より早く払い戻す場合にどの条件が適用されるかを読みます。

解約できること自体も一律ではありません。三菱UFJ銀行の自由金利型定期預金規定には、銀行がやむを得ないと認める場合を除き、満期前の解約を認めない条項があります。この規定をすべての定期預金に当てはめることはできませんが、「利息が減るだけでいつでも引き出せる」と考えず、候補商品の規定を確認する理由になります。

出典:三菱UFJ銀行「自由金利型定期預金規定」

満期後は、自動継続の有無と継続時の金利を確認します。ゆうちょ銀行では、継続後に適用されるのは継続時点の店頭表示金利です。当初の金利がそのまま続くとは限らないため、満期に使う資金なのか、改めて預け先を比較する資金なのかを分けておくと、満期後の扱いも選びやすくなります。

預金保険は同じ金融機関の合計額で見る

金融庁によると、預金保険の対象となる定期預金や利息付き普通預金などの一般預金等は、預金者一人当たり、一金融機関ごとに合算し、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。定期預金一口ごとに1,000万円の枠があるわけではありません。

預入額を決める際は、新しく作る定期預金だけでなく、同じ金融機関にある利息付き普通預金や既存の定期預金も一覧にして合計します。上限を超える部分は、金融機関の残余財産の状況に応じて支払われ、一部が支払われない可能性があります。金利差を比較する前に、預けた後の合計額が保護範囲にどう収まるかを確認する順序です。

条件別に候補へ残す商品を絞る

使う時期が決まっている場合には、その時期までに満期を迎える商品が比較の候補になります。同じ期間で金利を並べ、満期後の扱いまで確認すれば、判断の軸がそろいます。一方、長い期間の利率が高くても、使う予定より満期が後になる商品は目的に合いにくくなります。

途中で使う可能性がある場合には、解約条件を優先して読み、預ける金額や期間を再検討する余地があります。また、同じ金融機関の対象預金が保護上限を超える場合には、金利だけで結論を出さず、預け先ごとの残高を含めて判断することになります。

定期預金の比較では、利息の差を評価できる条件を先に整えることが要点です。次の記事では、預ける期間から比較軸を移し、満期までに使う可能性のある資金について、普通預金と定期預金の引き出しやすさを比べます。