定期預金の金利を期間・金額別に比較|大手行とネット銀行を同じ条件で並べる
定期預金の相談で最も多い質問は、「結局、どこの銀行が一番高いんですか」というものです。窓口でも相談の場でも、この一言から話が始まることは珍しくありません。ただ、金利の数字を並べる前に決めておくことがあります。預ける期間、預ける金額、そして比べている数字が通常の金利かキャンペーンの金利か。この三つがずれたまま数字だけを見比べると、順位は簡単に入れ替わります。ここでは大手行とネット銀行の定期預金を順に確認し、同じ条件で並べたうえで、選ぶ手順を整理します。
定期預金という商品の形を先に確認する
定期預金は、あらかじめ預入期間を決めて預け入れる預金です。預入時に決まった金利を満期まで適用する固定金利型で、預けたあとに市場金利が動いても、その預入分の利率は変わりません。預入期間は1か月から10年まで刻まれていることが多く、期間が長いほど高い利率が示される形になっています。
比較の条件としてそろえる必要があるのは、預入期間、預入金額、税引前か税引後か、通常金利かキャンペーン金利かの四点です。表示されている金利は通常、税引前の年利率です。個人が受け取る利息には原則として20.315%の税金が源泉徴収されるため、手取りで比べたい場合は税引前の利息に0.79685を乗じて概算します。年利率の表示が同じでも、期間や金額の区分が違えば、比べている商品そのものが違うということになります。
大手行の定期預金を確認する
三井住友銀行の円預金金利一覧は、2026年9月19日現在として掲載されています。定期預金はスーパー定期(300万円未満)、スーパー定期300(300万円以上)、大口定期(1,000万円以上)に区分され、1か月から10年までの年利率が並んでいます。税引前の年利率は、1年もの年0.500%、2年もの年0.650%、3年もの年0.800%、5年もの年1.000%、10年もの年1.250%です。金額による区分は設けられているものの、主要な期間については同一の標準金利が表示されています。つまり、300万円でも1,000万円でも、標準金利の欄を見るかぎり年利率は変わらないという形です。
三菱UFJ銀行は、2026年7月31日に公表し、同年8月3日から適用した改定で、円定期預金の税引前年利率を変更しました。1か月・3か月・6か月がいずれも年0.500%、1年もの年0.500%、2年もの年0.650%、4年もの年0.900%、10年もの年1.250%です。この改定は大口定期預金とスーパー定期の双方に適用されると記載されています。利息に原則20.315%の源泉分離課税がかかる点も、あわせて説明されています。
みずほ銀行の円預金金利のページでは、スーパー定期を300万円未満と300万円以上に分け、大口定期預金を1,000万円以上とし、さらにインターネット支店の新規預け入れを別の区分として表を構成しています。金額の区分に加えてチャネルの区分があるという点は、金利表を開くときの見る順番に関わってきます。
ネット銀行の定期預金を確認する
auじぶん銀行は、2026年9月1日から個人向け円定期預金の金利を改定しました。1か月・3か月・6か月・1年がいずれも年0.500%、2年もの年0.650%、3年もの年0.800%、5年もの年1.800%です。1年から3年までは大手行の標準金利と同じ水準が並びますが、5年ものだけは差が開いています。
あわせて、新規に口座を開設した対象者向けのデビュー応援定期預金が設定されています。対象期間中の3か月ものが年1.500%、1年ものが年1.400%です。短い期間で見れば通常の定期預金金利を大きく上回りますが、これは対象者が限られる金利です。通常金利と並べる前に、対象となる条件、口座開設日、適用される期間を確認しておく必要があります。キャンペーン金利と通常金利を同じ表に混ぜると、比較の条件がその時点で崩れます。
同じ条件で並べる
通常金利だけを取り出し、期間をそろえて並べると次のようになります。いずれも税引前の年利率です。
| 項目 | 年利率 |
|---|---|
| 1年 | 0.5 |
| 2年 | 0.7 |
| 3年 | 0.8 |
| 5年 | 1 |
| 10年 | 1.2 |
| 期間 | 三井住友銀行 | 三菱UFJ銀行 | auじぶん銀行 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 0.500% | 0.500% | 0.500% |
| 2年 | 0.650% | 0.650% | 0.650% |
| 3年 | 0.800% | — | 0.800% |
| 4年 | — | 0.900% | — |
| 5年 | 1.000% | — | 1.800% |
| 10年 | 1.250% | 1.250% | — |
出典:三井住友銀行 円預金金利一覧(2026年9月19日現在)、三菱UFJ銀行 円定期預金金利の改定について(2026年7月31日公表、同年8月3日適用)、auじぶん銀行 円定期預金金利およびデビュー応援定期預金金利改定のお知らせ(2026年9月1日適用)。
1年から3年までの水準は横並びで、差が出ているのは5年ものです。ここで確認しておきたいのは、三行それぞれの数字の基準日が異なることです。日本銀行は2026年9月18日、無担保コールレート・オーバーナイト物を1.25%程度で推移するよう促す方針を決め、9月24日から適用するとしています。定期預金の金利は市場金利や金融情勢に応じて見直されるため、金利表を開いたときは、数字そのものと同じだけ、公表日と適用日を見ておくことになります。
受取額と、途中で使うときの条件で比べる
年利率の差は、預入額と期間を掛け合わせた金額に直すと実感が変わります。100万円を1年間、税引前の年0.500%で預けた場合、税引前の利息はおよそ5,000円、税金が差し引かれたあとの受取利息はおよそ3,984円です。年利率が0.1%違えば1年あたり1,000円前後の差になるという見当がつけば、手続きの手間と見合うかどうかも判断しやすくなります。
もう一つの軸が、満期前に使う可能性です。定期預金を満期前に解約する場合、銀行所定の期日前解約利率が適用され、当初の表示金利どおりの利息にはならないことがあります。同じく安全性を重視して選ばれる個人向け国債の金利と使う時期で比べる選び方と並べると、個人向け国債は発行後1年を経過すれば原則いつでも中途換金でき、その際に直前2回分の各利子相当額に0.79685を乗じた額が差し引かれます。途中で換金する場合の負担が、一方は銀行ごとの解約利率、もう一方は差引額の計算式で決まるという違いです。
金額が大きい場合は、保護される範囲も軸になります。定期預金などの一般預金等は、預金者1人当たり1金融機関ごとに合算して、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。1,000万円を超える資金を一つの銀行にまとめるかどうかは、金利の高低とは別に検討する項目です。
出典:国税庁 No.1310 利息を受け取ったとき、金融庁 預金保険制度、財務省 現在募集中の個人向け国債・新窓販国債。
比べる順番を決めてから金利表を開く
手順としては、第一に使う予定のない期間を決めます。第二に預入金額を決めます。第三に通常金利とキャンペーン金利を分けて確認します。第四に税引後の利息、中途解約の条件、預金保険の対象範囲を確認します。この順番で進めると、最初に目に入った数字に引っ張られにくくなります。まとまったお金を使う時期で分けて預金・個人向け国債・投資信託を比べる考え方も、出発点は同じで、期間を決めてから商品を見るという並びです。
向き不向きで言えば、5年先まで使う予定がなく、途中解約の可能性が低い資金であれば、長い期間の年利率がそのまま効いてきます。反対に、使う時期が決まっていない資金を長期の定期預金に入れると、金利の高さより期日前解約利率のほうが結果を左右することになります。キャンペーン金利についても、適用が3か月や1年で終わったあと、その資金をどう置くかまで決まっていなければ、比較は途中までしか進んでいません。
手元にメモを用意して、「使う予定のない期間は( )か月、預ける金額は( )万円、比べるのは通常金利( )%とキャンペーン金利( )%、途中で使う可能性は( )」と埋めてから、各行の金利表を開いてみてください。空欄が埋まった時点で、比べるべき行はかなり絞り込まれているはずです。