新NISAと普通の投資口座を税金の面から比較した資料を見てみたい方へ|利益・損失・非課税枠の違い
新NISA口座、特定口座、一般口座。この三つを税金の面から並べると、違いは「利益に税金がかかるかどうか」だけでは終わりません。損失が出たときの扱いや、非課税で使える金額の上限まで含めて比べると、口座ごとの性格がはっきりします。
相談で多いのは「非課税なら、ほかの口座を使う理由はあるのか」という問い
FP事務所の相談では、「NISAは非課税だと聞いたので、普通の口座を使う理由はあるのでしょうか」と聞かれることがあります。この問いは、多くの場合、利益が出た場面を前提にしています。税金の面から比べるのであれば、損失が出た場面と、非課税で使える金額の範囲についても、同じ表の上に並べておく必要があります。
新NISAは2024年に始まった制度で、金融庁の集計では2025年12月末時点の口座数が約2,821万口座となっています。日本経済新聞の報道では、同時点の累計買付額は約71兆円で、前年から約36%増えました。利用が広がった今だからこそ、課税口座との違いを数字で確かめておく意味があります。
検討した軸は、利益・損失・非課税枠の三つ
利益にかかる税金で比べる
国税庁によると、特定口座や一般口座で得た上場株式等の譲渡益や配当には、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%がかかります。一方で、新NISA口座で得た利益にはこの税金がかかりません。仮に課税口座で100万円の利益が出たとすると、税額は203,150円、税引き後に手元に残るのは796,850円です。同じ100万円の利益でも、新NISA口座であれば税金による差し引きはありません。
損失が出たときの扱いで比べる
マネックス証券の説明では、NISA口座で出た売買損失は税務上「ないもの」とされます。そのため、特定口座や一般口座の利益と相殺する損益通算も、3年間の繰越控除も使えません。課税口座同士であれば、損益通算と繰越控除のどちらも利用できます。利益が出る場面では新NISAの差が大きく見える一方で、損失が出る場面では課税口座のほうに税金を調整する手段が残る、という違いがあります。
非課税で使える金額で比べる
新NISAの非課税枠には上限があります。年間の投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合計は最大360万円です。生涯の非課税保有限度額は総額1,800万円で、このうち成長投資枠は1,200万円までとなります。非課税で保有できる期間は無期限です。こうした非課税の枠は、課税口座にはない仕組みです。
| 項目 | 新NISA口座 | 特定口座・一般口座 |
|---|---|---|
| 利益(譲渡益・配当)への課税 | ◎ かからない | △ 20.315% |
| 課税口座の利益との損益通算 | × できない | ○ 課税口座同士でできる |
| 損失の繰越控除(3年間) | × 使えない | ○ 使える |
| 非課税で投資できる金額 | 年間最大360万円、生涯1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) | 非課税の枠はない |
| 非課税で保有できる期間 | 無期限 | ― |
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト よくある質問、金融庁 NISAを知る、国税庁 No.1331、マネックス証券 よくあるご質問、金融庁 NISAの利用状況(2025年12月末時点)、日本経済新聞
結論は「どちらが得か」ではなく「どの場面を重く見るか」で出す
同じ条件でそろえると、新NISA口座は利益が出た場面で差が大きく、課税口座は損失が出た場面で税金の調整手段が残る、という対照になります。相談では、一つの口座に決めてしまうよりも、次の順に確かめながら、それぞれの口座に何を任せるかを考えていただくことが多くあります。
- 投資する予定の金額が、年間360万円・生涯1,800万円の非課税枠に収まるかを確かめる
- 枠を超える部分や、すでに課税口座で保有している資産があるかを書き出す
- 損失が出た場合に、課税口座の利益と相殺したい事情があるかを考える
口座を開く証券会社の違いまで比べる場合は、新NISAの証券会社をコストと商品ラインナップで比べた記事で整理しています。口座の中で何を持つかについては、投資信託の仕組みと費用の比較基準もあわせて確認できます。
相談の最後によく伝えるのは、「税金の違いは、利益が出たときと損が出たときの両方で見てください」という一言です。